まちなかリボンサロン
ハイブリット形式で開催していましたが、現在はオンラインのみで行っています。

2026年10月3日(土)第177回まちなかリボンサロン申し込みを開始します


第176回まちなかリボンサロンはWEBオンライン形式のみで行います。

レクチャー後に、チャットからの質問コーナーも設けます。
匿名(ニックネーム)で参加できますので、お気軽にご質問ください。
(その場でお答えしますが、時間の都合上全員の質問にお答えできない場合もあります)

また質問コーナー終了後、希望者のみ、そのまま残っていただきオンラインでのおしゃべり会も開催しています。おしゃべり会には、先生方も参加します。
もちろんミニレクチャーの聴講だけの参加でも結構です。
詳しくは、こちら<<< をご覧ください。

<WEBオンライン形式>
パソコンやスマートフォンからzoom(インターネット)を使ってご参加ください。
以下の「申し込みフォームボタン」から事前のzoom参加の登録をお願いします。
定員が100名となっておりますので、お早目にお申し込みください。

サロン参加ルールを設けていますので、必ずお申込み前にご確認ください。
 ■サロン参加ルール はこちら

= 第177回まちなかリボンサロン =

日 時:
2026年10月3日(土)14:00~16:00
☆ミニレクチャー
『 一緒に学ぶ超音波検査の世界 ~検査技師は何を見ている?~ 』
講師:
広島大学病院 診療支援部 石川 舞 先生

申し込みフォームへ

※申し込みフォームが変わりました。
内容に沿って名前(ニックネームでも可)、メールアドレス等を入力してください。
申し込み直後に、参加URLをお知らせする受付確認メールが「zoom」から届きます。

●必ず所定のお申込みフォームからお願いします。
●参加のURL は、申し込み者ごとで違います。リンクを共有しないでください。
一人でPC、スマホ、タブレットなどを複数使ってのご参加はご遠慮願います。
●申し込み方法について分からないことがあれば、事務局までメールでお尋ねください。

LINE公式アカウントを始めました。
まちなかリボンサロン申し込み開始のお知らせをする予定です。
https://lin.ee/5vrmi9o

2026年9月5日(土)第176回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第176回まちなかリボンサロンでは、「乳がん治療はどうやって決めているの?」をテーマに、島根大学医学部附属病院 乳腺センターの角舎学行先生からお話しいただきました。乳がんは手術・薬物療法・放射線治療など治療の種類が多い一方、医師がどのような考え方で治療方針を決めているのかを、実際の症例をイメージしながら分かりやすく解説していただきました。

  

治療方針を決めるうえで最も重要なのが、針生検の病理結果から判明する「サブタイプ」だといいます。乳がんは大きく、ホルモン受容体とHER2(ハーツ)というタンパクの陽性・陰性の組み合わせで、ホルモン受容体陽性の「ルミナルタイプ」(全体の約6割)、HER2陽性タイプ(約2割)、どちらも陰性の「トリプルネガティブ」(約15%)に分類され、これに年齢や患者本人の希望、遺伝子変異の有無も考慮しながら治療の流れを組み立てるとのことです。

   

ルミナルタイプは基本的に手術を先に行い、病理結果を踏まえて薬物療法や放射線治療、ホルモン療法を組み立てます。腫瘍が3センチ以下であれば部分切除が可能なことが多く、大規模な臨床試験により部分切除でも放射線を併用すれば全摘と同等の生存率が得られることが示されているといいます。近年は針を刺して熱で焼灼する「ラジオ波焼灼療法(RFA)」という切らない治療も一部の条件下で行われています。また、センチネルリンパ節に転移があっても、条件によっては腋窩リンパ節郭清(わきの下のリンパ節を取り除く手術)を省略できることも、複数の臨床試験で示されているとのことでした。

  

一方、HER2陽性やトリプルネガティブタイプは、先に薬物療法(抗HER2療法や免疫療法を含む化学療法)を行い、がんの反応を見てから手術を行う「術前療法」が標準的だといいます。薬物療法でがんが完全に消えたかどうかによって、その後の治療内容を調整できるためで、消え残った場合には、より効果の高い薬剤に変更することで治療成績が向上することも分かっているそうです。また、診断から手術までの期間は3ヶ月以内に収めることが望ましく、遅れると予後が悪化するというデータも紹介されました。

 

乳がんの約1割を占める遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)についても触れられ、BRCA遺伝子に変異がある場合はPARP阻害薬がより効果を発揮すること、また対側の乳房に対する予防的な手術も選択肢になることが紹介されました。

 

最後に先生が強調されたのは、これらはあくまで一般的な治療指針であり、実際には年齢や患者本人の希望を踏まえて、主治医とともに一つひとつの治療方針を決めていくものだという点です。分からないことや希望があれば遠慮せず主治医に相談してほしいというメッセージで講演が締めくくられました。

  

次回、令和8年10月3日(土曜日)の第177回まちなかリボンサロンは、「一緒に学ぶ超音波検査の世界 ~検査技師は何を見ている?~」をテーマに、広島大学病院 診療支援部の臨床検査技師・石川舞先生にご講演いただく予定です(テーマは決まり次第お知らせします)。
次回もZoom配信にてお届けする予定です。ぜひご参加ください。

2026年8月1日(土)第175回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第175回まちなかリボンサロンでは、「乳房再建 迷っている方へ、再建後の方へ」をテーマに、広島大学病院 形成外科の佐々木彩乃先生からお話しいただきました。乳房再建の講演は毎年恒例とのことで、これから再建を考える方と、すでに再建を終えた方の両方に向けて、幅広い内容でお話しいただきました。

  

乳房再建には、乳がんの手術と同時に行う一次再建と、時間を置いて行う二次再建があり、ティッシュエクスパンダー(組織拡張器)で皮膚を伸ばしてから完成させる方法もあります。もっとも多いのは、乳がん手術と同時にエクスパンダーを入れ、後日インプラントや自家組織に入れ替える「一次二期再建」だそうです。再建方法は大きく、インプラントによる人工物再建と、背中や腹部から組織を移植する自家組織再建に分けられます。インプラントは傷が乳がん手術の傷のみで手術・入院期間も短い一方、経年劣化で将来的な入れ替えが必要になり、自家組織は採取部に傷跡が残り手術時間も長い一方、柔らかく自然な質感で長期のメンテナンスが不要という違いが紹介されました。

 

放射線治療を受けた、あるいは受ける予定があると再建できないと誤解されがちですが、時期や方法に注意すれば治療後でも再建は可能とのことです。エクスパンダーは金属を含み留置中の照射はできず、先に再建を済ませてから放射線を当てるなど主治医との調整が必要になるといいます。仕事や家庭の事情といったライフスタイルも選択の軸になり、エクスパンダーは約1年留置できるため焦らず検討する時間があるそうです。最終的には、選択肢を知り比較したうえで自分の価値観に照らし医療者とともに決めていく「シェアード・ディシジョン・メイキング(共同意思決定)」という考え方が紹介されました。

 

再建後は、自家組織なら術部の膨らみやボリューム減少、インプラントなら炎症や感染など自分で気づきやすい合併症がある一方、破損や被膜拘縮(周りの組織が硬くなる変化)は気づきにくく、入浴や着替えの際に胸の状態を確認する習慣と、年に一度の診察・画像検査が大切だと説明されました。下着は術後1か月までワイヤーなしを、自家組織なら形を整える専用ブラを勧めることが多く、その後は手持ちの下着の紐やワイヤーを調整する方法も紹介されました。スキンケアは、手術や放射線治療で皮膚のバリア機能が低下するため、入浴後10分以内の保湿とぬるま湯・泡での優しい洗浄の習慣づけが勧められました。

 

一連の再建を終えたあとに改めて手術を行う「三次再建」にも触れられました。インプラントの経年劣化による左右差や、対側の乳がん発症時の修正、まれに起こる皮弁壊死など理由はさまざまで、いずれも現在は保険適用の範囲で対応できるといいます。自費診療の脂肪注入という選択肢もありますが、生着率は3〜4割程度にとどまり、複数回の手術と費用がかかる点が留意点として挙げられました。

 

最後に先生が強調されたのは、再建方法に決まった正解はなく、大切なのは自分の決め方に納得できるかだという点です。合併症を過度に恐れず、日々の観察とケアを習慣にすることで、再建した乳房を長く良い状態に保てるというメッセージで講演が締めくくられました。

次回、令和8年9月5日(土曜日)の第176回まちなかリボンサロンは、島根大学医学部附属病院 乳腺センターの角舎学行先生に「乳がん治療はどうやって決めているの?」をテーマにご講演いただく予定です。
次回もZoom配信にてお届けする予定です。ぜひご参加ください。

2026年7月4日(土)第174回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第174回まちなかリボンサロンでは、「診察室では聞けなかった乳がん治療のなぜ? 術前・術後の不安との付き合い方」をテーマに、東広島医療センター乳腺・内分泌外科の鷹屋桃子先生からお話しいただきました。広島生まれ広島育ちで、一度県外に出た後に地元へ戻られたという先生は、趣味のスポーツ観戦にも触れながら、講演を始められました。

  

乳がんの治療には手術、放射線治療、抗がん剤、ホルモン療法などがありますが、目的は今ある癌を取り除く・小さくすること、手術後の再発を減らすこと、癌による症状を和らげることの三つに整理できると説明されました。体内では細胞分裂で生じた異常な細胞を免疫細胞が日々排除していますが、その監視をすり抜けて増殖したものが癌になるといいます。乳がんの多くは乳管の中にとどまる非浸潤がん(ステージ0)から始まり、乳管の壁を越えると浸潤がんと呼ばれる段階に進むそうです。

 

手術は目に見える癌を取り除き、薬物療法は全身に散らばった見えない癌細胞を攻撃し、放射線治療は温存乳房などに新たな病気の芽が出ないようにするというように、三つの治療が連携していると説明されました。手術で癌を取り切っても薬物療法が必要なのは、細胞レベルでは癌が体に残っている可能性があるためだそうです。

  

治療には副作用も伴い、ホルモン療法による関節痛やほてり、抗がん剤による吐き気などが紹介されました。症状をゼロか百かで考えず、熱中できることへ意識を向けたり気持ちを言葉にしたりすることが助けになるといい、生活に支障が出るほどつらい場合は我慢せず伝えてほしいと呼びかけられました。  

検査については、マンモグラフィーは石灰化の発見に優れ短時間で済む一方で痛みや被ばくを伴い、超音波検査は痛みがない反面、検査者によって見え方が異なることもあるなど、それぞれに得意・不得意があると説明されました。手術後の傷跡は超音波でギザギザした構造に映ることがありますが、多くは「術後変化」であり新たな癌ではないとのことです。「異常なし」は「症状がない」こととは異なり、傷跡周辺のしびれや違和感は手術の影響として残ることもあるといいます。

 

再発を疑う症状としては急な息切れや骨の痛み、新しいしこりが挙げられ、天気の悪化にともなう痛みは多くの方に見られる変化だそうです。地域のクリニックをかかりつけとして持つことも勧められました。

  

インターネットの情報については、SNSでは副作用や再発といったネガティブな体験の方が拡散されやすく、順調な人の声は目立ちにくい構造があると説明されました。乳がんはタイプやステージ、治療内容によって状況が大きく異なるため、他の患者と比較しすぎないことが大切だといいます。情報を集める際は日本乳癌学会のホームページなど根拠のある情報源を選び、生成AIは情報整理のツールとして活用しつつ情報を鵜呑みにせず、最終判断は主治医と相談してほしいとのことでした。

最後に先生が強調されたのは、インターネットの情報だけを理由に、自己判断で治療をやめないでほしいという点です。症状がつらく治療の継続が難しいと感じたときは、まずは主治医に連絡し相談してほしいというメッセージで講演が締めくくられました。

次回、令和8年8月1日(土曜日)の第175回まちなかリボンサロンは、広島大学病院 形成外科の佐々木彩乃先生に「乳房再建」をテーマにご講演いただく予定です。
次回もZoom配信にてお届けする予定です。ぜひご参加ください。

2026年6月6日(土)第173回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第173回まちなかリボンサロンでは、「最新の乳がんの手術〜術式はどうやって決められるのか?」をテーマに、島根大学医学部附属病院 乳腺外科の角舎学行先生から、手術の決め方と最新の選択肢についてお話しいただきました。令和7年5月に同大学乳腺外科の初代教授に就任された先生で、島根での家庭菜園のエピソードも交えながら和やかにお話が始まりました。

 

術式を決める際、医師がまず確認するのは乳がんの「サブタイプ」です。ホルモン受容体とHER2(ハーツ)の組み合わせによって、ルミナル型・HER2陽性・トリプルネガティブの三つに大別されます。HER2陽性とトリプルネガティブの乳がんは、まず術前薬物療法(手術前の薬物治療)を先に行うのが基本です。HER2陽性では半数以上でがんが完全に消失し(病理学的完全奏効)、治療効果に応じてその後の治療を調整できる点でも先に薬物療法を行う方が有益とされます。一方、患者さんの過半数を占めるルミナル型は、多くの場合まず手術を行います。

  

部分切除(乳房を残す手術)が可能かどうかは、腫瘍の大きさ(おおむね3センチが目安)と位置によって判断します。近年は乳房再建が一般化したことで術式の考え方も変わり、大きく切る必要がある場合は全摘+再建の方が確実で美容的にも優れるとされます。

 

部分切除の選択肢としては通常の切開のほか、脇の下や乳輪から小さく切開して内視鏡で行う「内視鏡補助手術」、針を刺してラジオ波でがんを焼灼する「ラジオ波焼灼療法(RFA)」も紹介されました。後者は腫瘍径1.5センチ以下の早期がんが適応で、乳房に傷や変形がほとんど残らない「切らない手術」です。

  

全摘の場合は乳頭乳輪を残すかどうかを判断したうえで、シリコン製インプラントまたは自家組織(主にお腹の脂肪)による乳房再建を検討します。インプラントは胸以外に傷が残らない反面、動かないという特徴があり、自家組織再建は自然な動きが得られる一方でお腹に傷が残ります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、患者さんの体型や希望に合わせて選択することが大切と説明されました。

 

今後の方向性として、術前化学療法後にがんが消失した場合に手術をせず放射線のみで経過を見る全国共同臨床試験「アマテラス試験」が進行中であること、傷が目立ちにくいロボット手術(ダビンチシステム)が普及を目指して動き出していることも紹介されました。乳がんの手術はこれからさらに選択肢が広がっていく分野です。

最後に先生が強調されたのは、「手術の技術レベルは病院ではなく術者によって大きく異なる」という点です。内視鏡手術やラジオ波焼灼療法を提供できるかどうかも医師次第であり、術式に迷ったときはセカンドオピニオン・サードオピニオンをためらわずに活用してほしいというメッセージで締めくくられました。

次回、令和8年7月4日(土)14時からの第174回まちなかリボンサロンは、東広島医療センター 乳腺・内分泌外科 鷹屋 桃子 先生に「診察室では聞けなかった乳がん治療のなぜ?〜術前術後の不安との付き合い方〜」をテーマにご講演いただく予定です。
次回はZoom配信のみでのお届けになる予定です。ぜひご参加ください。